2.研究活動
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Dominique Robert教授の特別セミナー
2023年3月15日(水)ケベック大学リムスキ校のDominique Robert教授が来所し、特別セミナー「The importance of larval feeding and growth in driving survival and recruitment success of marine fish」を行いました。Robert教授は博士研究員として2008~2009年に舞鶴水産実験所に滞在していたばかりでなく、カナダ帰国後も実験所関係者と公私にわたり親交を維持していました。今回は、サバティカル(長期有給休暇)を利用して家族とともに来日し、舞鶴水産実験所を再訪してくれました。特別セミナーでは、Robert教授が海産魚類の生残機構について基礎情報から最新研究まで分かりやすく説明し、参加者からの質問に丁寧に答えてくれました。特別セミナー終了後は市内の中華料理店に移動して懇親会を行い、対面開催の良さを再認識しながら親睦を深めることができました。
合同セミナー
2023年2月24日(金)Zoom会議により今年度2回目の合同セミナーが開催されました。この合同セミナーは、海洋の生物と環境を研究する農学研究科の3研究室(海洋生物増殖学分野、海洋生物環境学分野、舞鶴水産実験所)と理学研究科の1研究室(瀬戸臨海実験所)が一堂に会し、意見や情報を交換し、親睦を深める場として開催しているものです。今回は、福井県立大学海洋生物資源学部と鳥取環境大学環境学部からも各1研究室が参加し、学部4回生が卒業論文の内容を口頭発表しました。また、発表会終了後にオンライン懇親会を実施しました。
なお、発表者と所属および演題は以下の通りです。
堀之内恵志(瀬戸臨海実験所)「ヒメスナホリムシ(甲殻亜門: 等脚目)の繁殖様式と遊泳に関する生態の考察」
池田岳弘(海洋生物環境学分野)「瀬戸内海伊予灘北部海域における スナメリ(Neophocaena asiaeorientalis) の分布特性に関する研究」
得田悠裕(海洋生物環境学分野)「石垣島伊原間浜におけるアオウミガメの産卵地選択と植生環境との関係」
荒井優志(海洋生物環境学分野)「魚類および鳥類による被食に着目したホシガレイ種苗の放流適地の検討」
長村啓太(海洋生物環境学分野)「銀化したニホンウナギの降河行動を誘発する環境因子に関する研究」
小木曽奏斗(海洋生物環境学分野)「ニホンウナギにおける垂直な河川横断構造物を遡上可能な体サイズの検討」
湯場大洋(福井県立大学)「宮城県舞根湾における底生生物の巣穴を介した水と栄養塩の輸送量評価」
栃尾唯一(福井県立大学)「ラジウム同位体を用いた伊勢湾における陸域影響評価」
高橋龍ノ介(鳥取環境大学)「千代川水系における魚類生息環境調査―出現種の季節変化について―」
田原宏一(海洋生物増殖学分野)「アカシタビラメ・デンベエシタビラメ類の集団構造分析とそれにより明らかになった西日本の複数地域における系統間交雑」
修士論文発表会
2023年2月10日(金)京都大学農学部総合館において応用生物科学専攻の修士論文発表会が開催されました。最近は新型コロナウイルス感染予防のため、Zoo会議により実施されていましたが、今回は3年ぶりに対面により実施されました。舞鶴水産実験所(里海生態保全学分野)に所属する岡本咲人君、近村勇之助君、福沢風人君の3人が修士課程の研究成果を発表しました。練習会の反省を活かし、12分の発表時間内に要点を上手に説明することができました。これまで大変お疲れまでした。
岡本咲人「マナマコの被食時における環境DNA放出」
近村勇之助「マアジにおける種内および種間の社会行動を駆動する要因」
福沢風人「日本産コオリカジカ属魚類の分類学的再検討」
合同セミナー
2022年11月8日(火)Zoom会議により今年度1回目の合同セミナーが開催されました。この合同セミナーは、海洋の生物と環境を研究する農学研究科の3研究室(海洋生物増殖学分野、海洋生物環境学分野、舞鶴水産実験所)と理学研究科の1研究室(瀬戸臨海実験所)が一堂に会し、意見や情報を交換し、親睦を深める場として開催しているものです。今回も新型コロナウイルス感染対策のため、Zoom会議による開催になってしまいました。
なお、発表者と所属および演題は以下の通りです。
南部正裕(海洋生物環境学分野)「気候変動による大雨の増加が閉鎖性海域の生物生息環境に及ぼす影響の解明」
河村真理子(瀬戸臨海実験所)「クラゲの生活史推定における平衡石の利用」
近村勇之助(舞鶴水産実験所)「マアジの個体認識および異種間で起こる混群維持・形成機構」
鶴巻佑介(海洋生物増殖学分野)「シロギス仔稚魚の成長や生残に及ぼす共食いや初回摂餌の影響」
合同セミナー
2022年3月11日(金)Zoom会議により今年度2回目の合同セミナーが開催されました。この合同セミナーは、海洋の生物と環境を研究する農学研究科の3研究室(海洋生物増殖学分野、海洋生物環境学分野、舞鶴水産実験所)と理学研究科の1研究室(瀬戸臨海実験所)が一堂に会し、意見や情報を交換し、親睦を深める場として開催しているものです。今回は、福井県立大学海洋生物資源学部と鳥取環境大学環境学部からも各1研究室が参加し、学部4回生が卒業論文の内容を口頭発表しました。
なお、発表者と所属および演題は以下の通りです。
田嶋宏隆(海洋生物環境学分野)「音響観測と産卵状況調査に基づくリュウキュウイノシシによるアオウミガメ卵の捕食状況の把握」
中陳遥香(海洋生物環境学分野)「海棲哺乳類7種におけるテロメア長に影響を与える要因の検討」
吉川雄大(海洋生物環境学分野)「赤外線暗視ビデオカメラシステムによる長期撮影に基づくニホンウナギの堰遡上に関する研究」
小島彰紀(福井県立大学)「福井県三方上中郡若狭町に生息するトノサマガエルとナゴヤダルマガエルの分布と景観要素の関係」
倉賀野真央(福井県立大学)「海底湧水が宮津湾内のトリガイ養殖場の一次生産環境に及ぼす影響」
四ノ宮千遥(瀬戸臨海実験所)「オニイソメの幼体型と成体型の分子・形態情報に基づく比較検討」
小林健太朗(鳥取環境大学)「千代川水系における魚類相と河川環境との関係性ー魚類・環境データベースの地図情報化ー」
北又嘉人(海洋生物増殖学分野)「魚類の筋肉中にみられる黒化した血管の検討」
北 輝斗(海洋生物増殖学分野)「改修工事に伴う環境変化が塩性湿地とその隣接河川の魚類に及ぼす影響」
廣田峻也(海洋生物増殖学分野)「マツカワにおける白化の出現と性比の偏りの防除にむけた基礎的検討」
修士論文発表会
2022年2月8日(火)Zoom会議により応用生物科学専攻の修士論文発表会が開催されました。舞鶴水産実験所(里海生態保全学分野)に所属する河野ゆか子さんが修士課程2年間の研究成果を発表しました。課題名は以下の通りです。
河野ゆか子「底生生物に対する着底後マナマコの被食回避機構」
合同セミナー
2021年11月18日(木)Zoom会議により今年度1回目の合同セミナーが開催されました。この合同セミナーは、海洋の生物と環境を研究する農学研究科の3研究室(海洋生物増殖学分野、海洋生物環境学分野、舞鶴水産実験所)と理学研究科の1研究室(瀬戸臨海実験所)が一堂に会し、意見や情報を交換し、親睦を深める場として開催しているものです。今回は新型コロナウイルス感染対策としてZoom会議による開催になってしまったため、発表終了後にオンライン懇親会を実施しました。
なお、発表者と所属および演題は以下の通りです。
伊丹裕亮(海洋生物環境学分野)「実験池におけるニホンウナギとオオウナギの空間利用」
四ノ宮千遥(瀬戸臨海実験所)「大型多毛類オニイソメの分類と生態に関する研究」
佐藤 崇(海洋生物増殖学分野)「魚類のミトコンドリアゲノムにおける遺伝子配置の多様性とその進化」
Chaitanya Bhandare(舞鶴水産実験所)「Studies on the early life history of Japanese flounder Paralichthys olivaceous in Tango Sea」
合同セミナー
2021年3月3日(水)Zoom会議により今年度2回目の合同セミナーが開催されました。この合同セミナーは、海洋の生物と環境を研究する農学研究科の3研究室(海洋生物増殖学分野、海洋生物環境学分野、舞鶴水産実験所)と理学研究科の1研究室(瀬戸臨海実験所)が一堂に会し、意見や情報を交換し、親睦を深める場として開催しているものです。今回は、福井県立大学海洋生物資源学部と鳥取環境大学環境学部からも各1研究室が参加し、学部4回生が卒業論文の内容を口頭発表しました。
なお、発表者と所属および演題は以下の通りです。
南部正裕(海洋生物環境学分野)「能登半島周辺における温暖化と豪雨が七尾湾の成層構造および貧酸素化に及ぼす影響」
西川寛太郎(海洋生物環境学分野)「昭和基地周辺に生息するナンキョクカジカ科魚類の食性に関する研究」
前田裕也(海洋生物環境学分野)「マレーシアにおけるアオウミガメ幼体の鳴音の分類とその脱出行動との関係」
神野有祐(福井県立大学)「三方湖とその周辺域におけるミシシッピアカミミガメの新規加入に関する研究」
根木遥介(福井県立大学)「三方湖におけるユスリカ幼虫によるメタン由来炭素の利用」
坂口晃將(福井県立大学)「マサバの自動給餌飼育において残餌を最小化するための給餌条件の検討」
並河由佳子(鳥取環境大学)「鳥取県におけるアユ仔稚魚の海域での成長の水域年級比較~特に初期成長と海水温の関係に着目して~」
瀬田尚史(海洋生物増殖学分野)「コルチゾル投与がヒラメの受精卵や孵化仔魚に及ぼす影響」
田中元隆(海洋生物増殖学分野)「ワキンの異常黒化(黒ソブ)の出現・消失と形態学的特徴」
本田 拓(海洋生物増殖学分野)「塩性湿地が隣接河川の汽水環境維持および魚類相に与える影響」
横井泰周(海洋生物増殖学分野)「絶滅危惧種ヤマノカミの仔稚魚出現数経年変化と遺伝的分析に基づく集団サイズ変動の推定」
修士論文発表会
2021年2月8日(月)Zoom会議により応用生物科学専攻の修士論文発表会が開催されました。舞鶴水産実験所(里海生態保全学分野)に所属する上村真太郎君、曽根高幹大君、中島広人君の3人が修士課程2年間の研究成果を発表しました。課題名は以下の通りです。
上村真太郎「産卵と被食に伴う魚類の核およびミトコンドリア環境DNAの動態」
曽根高幹大「キジハタの環境DNAの動態に及ぼす体サイズ・活動性と産卵の影響」
中島広人「丹後海におけるスズキ卵仔魚の水平・鉛直分布と輸送」
合同セミナー
2020年11月10日(火)Zoom会議により今年度1回目の合同セミナーが開催されました。この合同セミナーは、海洋の生物と環境を研究する農学研究科の3研究室(海洋生物増殖学分野、海洋生物環境学分野、舞鶴水産実験所)と理学研究科の1研究室(瀬戸臨海実験所)が一堂に会し、意見や情報を交換し、親睦を深める場として開催しているものです。今回は新型コロナウイルス感染対策としてZoom会議による開催になってしまったため、発表終了後にオンライン懇親会を実施しました。
なお、発表者と所属および演題は以下の通りです。
笹野祥愛(舞鶴水産実験所)「環境DNAを用いたクロダイの汽水・淡水域利用実態の解明」
杉山高大(瀬戸臨海実験所)「宿主体色に応じた隠蔽色はどのようにして生まれるか?寄生性多毛類ナマコウロコムシを用いた検証」
青山拓洋(瀬戸臨海実験所)「decorator crabの体表上の生物と周辺環境との比較」
石合 望(海洋生物環境学分野)「機械学習を用いたスナメリ鳴音イベント判別手法の確立」
内藤拓哉(海洋生物増殖学分野)「希少海産魚アカメの保全を目指した遺伝学的研究」
合同セミナー
2020年2月18日(火)京都大学農学部総合館において今年度2回目の合同セミナーが開催されました。この合同セミナーは、海洋の生物と環境を研究する農学研究科の3研究室(海洋生物増殖学分野、海洋生物環境学分野、舞鶴水産実験所)と理学研究科の1研究室(瀬戸臨海実験所)が一堂に会し、意見や情報を交換し、親睦を深める場として開催しているものです。今回は主に学部4回生が卒業研究の成果を発表し、研究室の垣根を越えて意見が活発に交換されました。なお、例年参加していただいている福井県立大学海洋生物資源臨海研究センターの皆さんと日程調整がつかず、また、通常開催しているセミナー終了後の懇親会も行われませんでした。
なお、発表者と所属および演題は以下の通りです。
小野山 剛(海洋生物増殖学分野)「網敷き飼育によるヒラメの着色型黒化の防除 -効果的・効率的な網敷き方法の検討-」
後藤千佳(海洋生物増殖学分野)「着色型黒化と体型とに生じるヒラメの個体差をコルチゾル調節から説明する試み」
若狭達也(海洋生物増殖学分野)「気仙沼市の震災湿地における水交換率操作実験に伴う動物プランクトン相の変化」
山中朔人 (海洋生物増殖学分野)「筑後川河口域における有明海特産種ハゼクチの仔稚魚出現数と遺伝的多様度の経年変化」
青山拓洋 (瀬戸臨海実験所)「 Decorator crab の擬装中の生物群集について 」
西山啓太 (海洋生物環境学分野)「タイ国タリボン島の潮下帯海草藻場におけるジュゴンの摂餌タイミングの解明」
八木智也(海洋生物環境学分野)「黄ウナギ期ニホンウナギの天然魚と養殖魚の行動に対する環境要因の影響」
修士論文発表会
2020年2月10日(月)京都大学農学部総合館において応用生物科学専攻の修士論文発表会が開催されました。舞鶴水産実験所(里海生態保全学分野)に所属する河合史佳さん、辻村裕紀君、戸矢樹君の3名が修士課程2年間の研究成果を発表しました。舞鶴水産実験所から応援に駆け付けた学生や教職員が見守る中、それぞれに練習会の反省を活かし、分かり易く発表することができました。大変お疲れさまでした。
河合史佳「ニホンウナギ若齢魚の食性に関する研究」
辻村裕紀「マダイおよびイシダイ稚魚の脳の発達に及ぼす成育環境の影響」
戸矢 樹「マダイ稚魚の学習と記憶に及ぼす反復訓練、睡眠および飼育密度の影響」
博士論文申請講演会
2019年12月19日(木)京都大学農学部総合館において舞鶴水産実験所の卒業生である鈴木健太郎さんと多賀真さんの博士論文申請講演会が開催されました。2人とも就職先の研究機関において成果を積み重ね、投稿論文を発表し、今回の講演会に至りました。舞鶴水産実験所からも教職員や学生が駆け付け、2人の研究成果に耳を傾けました。
鈴木健太郎(電力中央研究所)「大発生機構解明に向けたミズクラゲAurelia coeruleaの生態学的研究」
多賀 真(茨城県水産試験場)「マサバ太平洋系群の初期生活史と資源変動に伴う生態の変化に関する研究」
合同セミナー
2019年11月11日(月)舞鶴水産実験所において今年度1回目の合同セミナーが開催されました。この合同セミナーは海の環境と生物に関する研究を行っている農学系の3研究室(海洋生物増殖学分野、海洋生物環境学分野、舞鶴水産実験所)と理学系の瀬戸臨海実験所が日頃の研究成果を発表する場として開催しているものです。今回は研究成果が十分に伝わらず、議論が進まない発表もありましたが、全体的には研究室の垣根を越えて意見・情報を交換することができました。セミナー終了後は西舞鶴駅近くの居酒屋に場所を移し、舞鶴の海の幸を楽しみながら,親睦を深めました。
なお、発表者と所属および演題は以下の通りです。
中山 凌(瀬戸臨海実験所)「コモレビコガモガイの生態・行動・系統について」
Dewi Citra Murniati(瀬戸臨海実験所)「Sentinel crab (Crustacea: Brachyura: Macrophthalmidae) from Saparua Island, Indonesia with description of a new species」
渡部夏帆 (海洋生物環境学分野)「淀川河口部汽水域における有機物の起源と分解特性」
余田昂彌(舞鶴水産実験所)「環境DNAで捉えるクラゲ類の分布と季節変化〜京都府舞鶴湾と福井県音海にて〜」
鶴巻佑介 (海洋生物増殖学分野)「飼育シロギスの骨格異常とストレスの関連性」
博士論文申請講演会
2019年6月20日(木)京都大学農学部総合館において舞鶴水産実験所博士課程の村上弘章君の博士論文申請講演会が開催されました。環境中に放出されたDNAを手掛かりに対象種の在不在や現存量を推定する環境DNA技術を海産魚類に用いるための基礎的研究の成果です。舞鶴から駆けつけた学生と教員が見守る中、発表練習会の反省を活かし,分かり易く発表することができました。
村上弘章「海産魚類の生態調査に資する環境DNA技術の開発に関する研究」
合同セミナー
2019年2月22日(金)農学部総合館において合同セミナーが開催されました。この合同セミナーは海洋の環境と生物に関する研究を行っている3研究室(舞鶴水産実験所、海洋生物増殖学分野、海洋生物環境学分野)が一堂に会し、日頃の研究成果を発表したり、分野の垣根を超えて意見を交換したりする貴重な機会です。今回は京都大学瀬戸臨海実験所と福井県立大学海洋生物資源臨海研究センターの皆さんも参加し、各研究室に所属する学部4回生が卒業研究の成果を紹介しました。セミナー終了後は大学近くの居酒屋に場所を移し、料理と飲物を楽しみながら、意見を交換し、親睦を深めました。
なお、発表者と所属および演題は以下のとおりです。
石合 望(海洋生物環境)「三河湾におけるスナメリの鳴音イベント検出手法に関する研究」
野村一平(海洋生物環境)「バイオロギングによる有明海のナルトビエイの行動計測の試み」
堀美沙樹(海洋生物環境)「テロメア長測定による飼育下ジンベエザメのストレス評価の試み」
義江健吾(海洋生物環境)「人工生産イセエビ種苗と天然イセエビ種苗との日周性に関する研究」
宮川和大(福井県立大学)「湿原を源流とする河川における溶存態有機物の動態」
市川ちひろ(福井県立大学)「夏季の若狭湾沿岸に同所的に出現するイロウミウシ科2種の交尾行動と索餌行動」
中野 光(福井県立大学)「兵庫県竹野川における農業用取水堰がカマキリ・カジカ中卵型の遡上分布に与える影響 」
杉山高大(瀬戸臨海実験所)「寄生性多毛類ナマコウロコムシにおける宿主に応じた複数の色彩型は隠蔽種群か種内多型か?」
木村俊介(海洋生物増殖)「気仙沼市舞根湾における東北地方太平洋沖地震後の小型底生魚類群集の経年変化」
河野ゆか子(海洋生物増殖)「受精卵の由来がヒラメ稚魚の着色型黒化に与える影響」
内藤拓哉(海洋生物増殖)「マイクロサテライトDNA分析による希少海産魚アカメの保全遺伝学的研究」
中島広人(海洋生物増殖)「砂や網を敷くことで良質なマツカワ種苗を生産する試み」
修士論文発表会
2019年2月6日(水)農学部総合館において修士論文発表会が開催され、修士2回生の余田昂彌君と笹野祥愛さんが研究成果を披露しました。舞鶴水産実験所から応援に駆けつけた教職員と学生が見守る中、2人それぞれに練習会の反省を活かし、無事に発表を終えることができました。大変お疲れさまでした。
余田昂彌「クラゲ類の分布および被食過程への環境DNAによるアプローチ」
笹野祥愛「環境DNAを用いたクロダイの生活史特性の解明:海洋および河川域における分布様式の季節変化」
博士論文申請講演会
2019年1月17日(木)京都大学農学部総合館において舞鶴水産実験所博士課程の三澤遼君の博士論文申請講演会が行われました。日本近海に分布するガンギエイ目魚類のうち体サイズと生態が異なる3種について、遺伝学的分析と形態学的分析にもとづき集団構造を推定し、体サイズと生態との関係を議論した成果を発表しました。なお、この発表に先立ち、社会人大学院生として山下教授の指導を受けた仙北谷圭さん(石川県水産総合センター)の博士論文申請講演会も行われました。
仙北谷 圭(石川県水産総合センター)「七尾湾浅海域の海底環境とアカガイのへい死に関する研究」
三澤 遼(舞鶴水産実験所)「ガンギエイ目魚類の集団構造に関する研究」
「舞鶴」合同セミナー
2018年11月19日(月)舞鶴水産実験所において今年度1回目の合同セミナーが開催されました。この合同セミナーは、海洋の環境と生物に関わる研究を行っている京都大学の3研究室(舞鶴水産実験所、海洋生物増殖学分野、海洋生物環境学分野)が情報や意見を交換し,親睦を深めることを目的に,年数回開催しているものです。今回は3研究室に加え、京都大学瀬戸臨海実験所も遠隔講義システムを使って参加してくれました。海洋の環境と生物に関わる幅広いテーマの発表があり、研究の視野を広げる良い機会になりました。セミナー終了後は東舞鶴の居酒屋に場所を移し、地元の魚料理を楽しみながら、様々な話題で盛り上がりました。
なお、発表者と所属、演題は以下のとおりです。
尾崎友輔(海洋生物増殖)「宮城県気仙沼市の塩性湿地-河川下流域におけるハゼ科魚類仔稚魚および成魚の生息場所利用」
田中佑一(海洋生物環境)「静止海色衛星を用いた大阪湾~紀伊水道における赤潮の動態解析」
三澤 遼(舞鶴水産実験所)「西部北太平洋産ガンギエイ目魚類3種の集団構造」
杉山高大(瀬戸臨海実験所)「ナマコウロコムシの分類学的研究 宿主への色彩的適応」
中町 健(瀬戸臨海実験所)「シリケンウミセミ(フクロエビ上目:等脚目)の繁殖生態」
第8回 日本海研究集会 「京都府沿岸のマナマコ資源の効率的な利用に向けて」
2018年11月17日(土)舞鶴市政記念館において舞鶴水産実験所主催の第8回日本海研究集会「京都府沿岸のマナマコ資源の効率的な利用に向けて」が開催されました。「舞鶴ナマコシンポジウム~ナマコを知ろう、増やそう、役立てよう~」をキャッチフレーズに新聞やラジオを通して広報したかいあって、当日は冷たい雨が降ったり止んだりの天気でしたが、合計100名近くの来場者がありました。舞鶴市の呼びかけに応じ、地元の水産加工業者がナマコ製品の試食を提供し、和食料理屋が「ナマコ御膳」の見本を展示してくださいました。講演は生態や行動、分類や分布などの基礎情報に始まり、資源管理や種苗生産の取り組み、一橋大学の赤嶺教授による招待講演「国内外のナマコ類資源の現状と流通の実態」へと続き、舞鶴市の現状報告により終了しました。来場者は身近な重要水産資源であるナマコに対する理解を深めた様子でした。閉会後は講演者を中心に懇親会を行い、食事を楽しみながら情報や意見を交換しました。演題と演者は以下のとおりです。
1.「水中から見たマナマコの生態と行動」益田玲爾(京大舞鶴水産実験所)
2.「舞鶴湾と宮津湾におけるマナマコの分布」澤田英樹(京大舞鶴水産実験所)
3.「宮津湾におけるマナマコ資源の管理」栗田紘一(宮津なまこ組合漁業者)
4.「高校生によるマナマコの人工授精と種苗生産の取り組み」長岡智子・高校生(京都府立海洋高校)
5.「宮津湾におけるマナマコの成長と資源量」篠原義昭(京都府海洋センター)
6.「国内外におけるナマコ類資源の現状と流通の実態」赤嶺 淳(一橋大学社会学研究科)
7.「舞鶴のマナマコの管理と利用に向けて」木村 裕(舞鶴市水産課)
金先生(韓国・釜慶大学)の来所
2018年7月19日(木)-21日(土)韓国・釜慶大学の金眞久先生とその研究室の研究員・学生あわせて7人が標本観察、標本採集、そして合同セミナーのために来所しました。金先生の研究室は朝鮮半島周辺の魚類の遺伝的集団構造や分類、稚仔魚の生態の研究を行っています。今回は、分類学的研究のため、舞鶴水産実験所の標本庫に収蔵されている魚類の標本を観察したり、舞鶴周辺で魚類標本の採集を行いました。また、最終日には親交の深い東海大学海洋学部の中山直英先生も来所し、甲斐助教、大学院生の三澤君とともに合同でセミナーを行い、将来の共同研究の可能性について話し合いました。
「舞鶴」合同セミナー
2018年2月23日(金)舞鶴水産実験所において合同セミナーが開催されました。このセミナーは舞鶴水産実験所が農学研究科の2研究室(海洋生物増殖学分野と海洋生物環境学分野)と協力して年2回実施しているものです。例年通り、福井県立大学海洋生物資源学部の富永先生と杉本先生の研究室も参加してくださいました。学部4回生が卒業研究の成果を大勢の人に披露する場であると同時に、海洋の環境と生物について専門分野の垣根を越えて視野を広げる良い機会でもあります。今年は9人が発表し、質疑と休憩を含め、4時間の長丁場でした。セミナー終了後は東舞鶴駅前の居酒屋に移動し、懇親会で親睦を深めました。
なお、発表者と所属、演題は以下のとおりです。
尾崎友輔(海洋生物増殖)「東北地方太平洋沖地震により形成された塩性湿地における仔稚魚の移出入動態」
辻村裕紀(海洋生物増殖)「有明海におけるハゼクチ-マハゼ間の交雑に関する研究」
鶴巻佑介(海洋生物増殖)「シロギス飼育魚の仔稚魚期における形態異常とストレス応答ホルモンの関連性」
水谷昴栄(海洋生物増殖)「水槽に網を敷くことによるヒラメ着色型黒化の抑制および天然魚の形態にさらに近づける試み」
横山綾子(海洋生物環境)「タイ国ケンクラチャン湖におけるメコンオオナマズ稚魚の生残率および水平移動に関する研究」
相良朋香(海洋生物環境)「音響学的種判別手法を用いたマレーシア・ランカウィ諸島周辺における小型鯨類2種の分布の解明」
渡部夏帆(海洋生物環境)「淀川河口域における有機物の生成と初期分解過程」
中島壽視(福県大)「短寿命放射性同位体元素222Rnと224Raを用いた瀬戸内海沿岸域の海底地下水湧出量評価」
坂 領祐(福県大)「1980年代から2000年代にかけての硝酸態窒素濃度の上昇要因の解析-日本海側および九州西部の一級河川を対象に-」
修士論文発表会
2018年2月6日(火)京都大学農学部総合館において応用生物科学専攻の修士論文発表会が開催されました。舞鶴水産実験所の教員と学生も応援に駆けつけ、修士2回生の尾形瑞紀君と難波真梨子さんが日頃の研究成果を発表しました。発表練習の反省を活かし、分かり易い発表に仕上がっていたと思います。大変お疲れさまでした。
尾形瑞紀「海底堆積物における環境DNA保存性の検証」
難波真梨子「キス科魚類の分類における頭部側線系の有効性」
合同セミナー
2017年11月15日(水)今年1回目の合同セミナーが京都大学農学部総合館において開催されました。このセミナーは海洋の環境と生物に関する研究を行っている京都大学の4研究室(舞鶴水産実験所、瀬戸臨海実験所、海洋生物増殖学分野、海洋生物環境学分野)のメンバーが一堂に会して日頃の研究の成果を発表するものです。今回は博士課程3回生の三澤君が舞鶴水産実験所を代表し、ガンギエイ目魚類3種の集団構造について発表しました。舞鶴水産実験所のメンバーは京都の会場に行かず、遠隔講義システムにより参加する人が多かったため、少し盛り上がりに欠け、残念でした。
なお、発表者と所属、演題は以下の通りです。
三澤 遼(舞鶴水産実験所)「西部北太平洋におけるガンギエイ目魚類3種の集団構造とその比較」
戸川優弥子(瀬戸臨海実験所)「クロヘリアメフラシは単一種か?」
生田健吾(海洋生物環境学分野)「衛星リモートセンシングと窒素安定同位体比を用いた徳島県沿岸ワカメ漁場への栄養塩供給源推定」
松田直往(海洋生物増殖学分野)「ヒラメ着色型黒化の個体および部域レベルにおける発現機構」
魚類テレメトリー国際会議
2017年6月20日(火)~23日(金)オーストラリアのケアンズ市で開催された魚類テレメトリー国際会議(The 4th International Conference on Fish Telemetry)に当実験所から澤田助教が参加しました。この会議は今回が4回目の開催となるもので、発信機を海洋生物に取り付け、生物の位置やその周囲の情報を得ることのできるテレメトリーの手法に関する多数の研究発表が行われました。
澤田助教はバイオテレメトリーにより解析したマナマコの夏眠場所について発表しました。情報学研究科の三田村准教授とその卒業生の古川さんが中心となってまとめた成果であり、フィールド研の荒井教授と市川准教授および当実験所の益田准教授と山下教授との共同発表でした。「ほとんど動かないナマコに発信機をつけること自体が面白い」とのコメントが寄せられ、澤田助教の印象に残ったそうです。これからもテレメトリーの手法を応用することにより、資源管理に役立つ、面白い知見が出てくることを期待したいです。
写真1(左):澤田助教の発表の様子
写真2(右):休憩時間にはフルーツとケーキ
「舞鶴」合同セミナー
2017年2月22日(水)舞鶴水産実験所において合同セミナーが開催されました。この合同セミナーは舞鶴水産実験所が京都大学農学研究科の海洋生物増殖学分野と海洋生物環境学分野の協力のもと実施しているものです.今年も福井県立大学の富永先生と杉本先生が多数の学生とともに参加して下さり、また、京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所の皆さんがテレビ会議システムにより参加して下さりました。4回生が卒業研究の成果を口頭発表した後、学生と教員が多様な視点から意見を出して議論を深めました。4時間に及んだセミナーの後は、バスで懇親会の会場へ移動し、地元食材を使用した料理と飲物を楽しみながら、研究室の垣根を越えて様々な話に花を咲かせました。
なお、発表者と所属、演題は以下の通りです。
上原慧哉(海洋生物環境)「 沖縄本島近海のジュゴンの分布、移動速度及び行動圏の個体間比較と季節変動 」(写真1:上段左端)
世古将太郎(海洋生物環境)「 バイオテレメトリーによるイセエビの行動追跡の試み 」(写真2:上段左中)
田中佑一(海洋生物環境)「 静止海色衛星を用いた紀伊水道への外洋水及び内海水の流入の可視化 」(写真3:上段右中)
竹内 優(福県大)「 一次生産者と固着性二枚貝の安定同位体比分析による海底湧水環境の評価 」(写真4:上段右端)
西村碩教(福県大)「 大分県猪串湾における海底湧水の空間分布と湧出量の評価 」
平井タケル(福県大)「 環境トレーサーを用いた日本海側の成層火山地域における大気沈着窒素の動態評価 」(写真5:下段左端)
柿本貴広(海洋生物増殖)「 ヒラメ着色型黒化の個体差をコルチゾル分泌と卵の由来から説明する試み 」(写真6:下段左中)
佐々木祝嗣(海洋生物増殖)「 有明海におけるエツCoilia nasusの保全遺伝学的研究 」(写真7:下段右中)
矢谷 遼(福県大)「 PITタグを用いたカジカ大卵型の移動生態 」
大橋慎治(福県大)「 マイクロサテライトDNAマーカーを用いた福井県内アユカケ(Cottus kazika)の遺伝的集団構造の解明 」
修士論文発表会
2017年2月15日(水)京都大学農学部総合館において農学研究科応用生物科学専攻の修士論文発表会が開催されました。舞鶴水産実験所から応援に駆けつけた教員と学生が見守る中、渡邉匠君が日頃の研究成果を発表しました。皆さん大変お疲れさまでした。
渡邊匠「環境エンリッチメントによる放流用稚魚の行動特性の改善」
合同セミナー
2016年11月14日(月)今年度1回目の合同セミナーが京都大学農学部総合館において開催されました。この合同セミナーは京都大学農学研究科の海洋生物増殖学分野と海洋生物環境学分野が舞鶴水産実験所と協同で実施しているものです。今回は京都大学フィールド科学教育研究センターの瀬戸臨海実験所と山下研究室(地球環境学堂)も参加し、それぞれの研究室の代表者が日頃の研究成果を発表しました。海洋生物増殖学分野の田川先生の司会のもと、質疑応答では教員ばかりでなく学生からも鋭い指摘や建設的な意見が出されました。セミナー後は居酒屋に移動し、各々が思い思いの話題に花を咲かせました。今回も研究室の垣根を越えて情報を交換し、親睦を深める良い機会になりました。
なお、発表者と所属、演題は以下の通りです。
村上弘章(舞鶴水産実験所)「環境DNAを用いた海産魚類の資源量推定技術の確立のための基礎研究」(写真左端)
吉川晟弘(瀬戸臨海実験所)「インド‐西太平洋域に生息するヨコバサミ属の系統関係と、イソヨコバサミの集団遺伝学」(写真左中)
神崎東子(海洋生物環境学分野)「大分県国東半島における森里海連環 -土地利用の違いが河川生物に及ぼす影響-」
中田訓彰(海洋生物増殖学分野)「水槽底面の凹凸及び色がヒラメ着色型黒化に及ぼす影響」(写真右中)
Omweri Ooga Justus(山下研究室)「Seasonality and occurrence of the dominant mysid Neomysis awatschensis (Brandt 1851) in the Yura River estuary, central Japan」(写真右端)
「舞鶴」合同セミナー
2016年2月23日(火)舞鶴水産実験所において合同セミナーが開催されました。この合同セミナーは京都大学農学研究科の海洋生物増殖学分野と海洋生物 環境学分野が舞鶴水産実験所と協力して実施しているものです.今回は福井県立大学の富永先生が多数の学生とともに参加して下さり、また、京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所の皆さんがテレビ会議システムにより参加して下さりました。学部4回生11名が卒業研究の成果を発表し、質疑応答を行いました。海洋環境学と海洋生物学に関する幅広い話題が提供され、研究室の垣根を越えて様々な意見が交わされ、4時間に及ぶ発表会が終了しました。舞鶴市内のレストランにおける懇親会では、美味しい料理を楽しみながら思い思いの話題に花を咲かせ、親睦を深めることができました。
なお、発表者と所属、演題は以下の通りです。
松田直往(海洋生物増殖学)「コルチゾルおよび黒色素胞刺激ホルモンの投与がヒラメ着色型黒化に及ぼす影響」(写真1:上段左端)
大戸夢木(海洋生物増殖学)「舞鶴市伊佐津川のハゼ科魚類における生息場所利用とこれに関わる環境要因」(写真2:上段左中)
山田雄志(海洋生物増殖学)「東北地方太平洋沖地震により新規形成された塩性湿地の仔稚魚相」(写真3:上段右中)
相田城之介(福県大)「北潟湖の塩分上昇がブルーギルLepomis macrochirusの個体数動態へ及ぼす影響」(写真4:上段右端)
中尾智行(福県大)「耳石微量元素を用いた九頭竜川産サクラマスの回遊履歴調査」(写真5:中段左端)
安江功明(海洋生物環境学)「十和田湖におけるヒメマスの鉛直移動の日周・季節変動解析」(写真6:中段左中)
鈴木勇人(海洋生物環境学)「産卵北限域におけるスズキ仔稚魚の初期減耗要因に関する研究」
水嶋亨(福県大)「ウツセミカジカの耳石観察法と着底輪の検討」(写真7:中段右中)
生田健吾(海洋生物環境学)「山形県鳥海山沿岸における海底湧水の定量化と低次生産への影響評価」(写真8:中段右端)
理塀隆人(福県大)「夏季の大分県国東半島における河川水中の窒素・リンの動態 ~森と里の影響に着目して~」(写真9:下段左端)
山崎大輔(福県大)「小浜湾東部海域における底層水ラドン濃度の空間分布調査」(写真10:下段左中)
懇親会(写真11:下段右中)
ワシントン大学 標本調査
2015年12月7日(月)~11日(金)、三澤君(博士課程1年)が魚類標本を調査するためにシアトルのワシントン大学水産学部内にあるバーク博物館魚類部門 (http://www.burkemuseum.org/)を訪問しました。ワシントン大学にはベーリング海やアラスカ湾から採集された標本が多数所蔵されており、日本周辺海域を含む北太平洋産の魚類の分類や分布を明らかにする上で非常に重要なコレクションです。今回の調査ではメバル科魚類やガンギエイ科魚類の標本を観察し、今後の研究を進めるにあたり重要な知見が得ることができました。
写真1(左):標本庫のある建物
写真2(左中):メバル科魚類の標本
写真3(右中):ガンギエイ科魚類の標本
写真4(右):ワシントン大学連携研究者のJames W. Orr博士と三澤君
合同セミナー
2015年11月24日(火)京都大学農学部において今年度1回目の合同セミナーが開催されました。この合同セミナーは舞鶴水産実験所と農学研究科の2研究室(海洋生物環境学分野、海洋生物増殖学分野)および瀬戸臨海実験所のメンバーが一堂に会し、海洋生物や海洋環境に関する研究を発表して情報を交換する貴重な機会です。日頃の研究成果が発表され、研究室の垣根を越えて様々な意見が寄せられました。セミナー終了後は懇親会で議論を続けたり、親睦を深めたりして楽しみました。なお、講演者と演題は以下の通りでした。
曽我部共生(海洋生物環境学分野 修士2回生) 「丹後海舞鶴湾におけるスズキ仔稚魚の成育場の利用特性」
加賀谷勝史(瀬戸臨海実験所 特定助教) 「ばね駆動型運動の速度調節機構」
長縄秀俊(瀬戸臨海実験所 博士1回生) 「いまバイカル湖の沿岸生態系で起こっていること」
山崎哲也(舞鶴水産実験所 博士1回生) 「丹後海の底生動物群集」
東海林明(海洋生物増殖学分野 博士3回生) 「アバチャン(クサウオ科)の分類学的・系統地理学的研究」
「おいしい、安全な、地球にやさしい水産物-エコラベルのはなし-」
2015年11月14日(土)水産海洋学会の第5回日本海研究集会として「おいしい、安全な、地球にやさしい水産物-エコラベルのはなし-」が舞鶴西総合会館において開催されました。舞鶴水産実験所の山下教授が企画し、益田准教授が司会を務め、実験所関係者が大勢参加しました。水産物のエコラベルについて様々な視点から最新の話題が提供され、大変有意義な研究集会になりました。なお、講演者と演題は以下の通りでした。
吉野 章(京都大学地球環境学堂) 「ブランドとしての認証制度」 (写真左端)
鈴木 允(MSC日本事務所) 「持続可能な漁業とMSC認証」 (写真左中)
山崎 淳(京都府海洋センター) 「京都府底曳網の資源管理とエコラベル」 (写真右中)
大元鈴子(総合地球環境学研究所) 「エコラベルの読み方」 (写真右端)
2015年度日本魚類学会年会
2015年9月4日(金) 5日(土)日本魚類学会年会が奈良県の近畿大学農学部で開催され、 当実験所の魚類分類学グループから4名が参加しました (甲斐助教、田城研究員、 三澤、岡崎)。今回の年会では淡水魚の分類や生態、保全に関する発表が多かったのが印象的でした。 また、最近話題の「近大マグロ」が振舞われた懇親会も大いに盛り上がり、たいへん充実した年会となりました。なお、実験所メンバーが含まれた研究発表は下記の通りです。
甲斐嘉晃・山中智之 「津軽海峡付近におけるキンカジカとニホンキンカジカの交雑帯の存在」
田城文人・髙見宗広 「南日本太平洋の深海底から得られたホラアナゴ科リュウキュウホラアナゴ属の1未同定種」
三澤 遼・遠藤広光 「ガンギエイ科コモンカスベにみられる色彩と外部形態の差異」
亀甲武志・片岡佳孝・菅原和宏・石崎大介・吉岡 剛・桑原雅之・井口恵一朗・甲斐嘉晃・中山耕至 「琵琶湖流入河川姉川水系支流のナガレモンイワナの遺伝的特徴」
吉川 茜・中山耕至・甲斐嘉晃・中坊 徹次 「北太平洋産ユメカサゴ属魚類の遺伝的集団構造
」
亀甲武志・石﨑大介・淀 太我・間野静雄・桑村邦彦・藤岡康弘・甲斐嘉晃
「ホンモロコの耳石日周輪の確認」
東海林 明・甲斐嘉晃・上田祐司・濱津友紀・伊藤正木・中坊徹次 「日本海におけるアバチャン(カジカ亜目:クサウオ科)赤色斑紋型の遺伝的特徴」
篠原現人・片山英里・田城文人 「日本海から採集されたカグラザメ(カグラザメ目:カグラザメ科)の大型標本」
写真1(左):ポスター発表を行う三澤君
写真2(右):懇親会で振る舞われた近大マグロ
調査船「平安丸」による桁網調査
2015年6月から7月にかけて京都府農林水産技術センター海洋センター(以下、海洋センター)が実施した海洋調査船「平安丸」の桁網調査(写真1~写真4)に当実験所の魚類分類学グループ(甲斐助教,PD田城,D1三澤)が参加しました。
本調査は京都府沖のカレイ類の生態や資源状況、漁場内における底生生物のモニタリング等に関する研究の一環で実施されており、京都府の底曳網漁業に大きく貢献しています〔詳細は海洋センターホームページ(http://www.pref.kyoto.jp/kaiyo/index.html)をご参照下さい〕。調査では大型桁網(写真2)を用いて若狭湾の水深約100~300 mを曳網し、採集生物の分析(種同定,重量,体長組成,年齢組成等)を行います。メインターゲットとなるカレイ類(写真5)の他にも様々な魚類が混獲されるため、数年前より甲斐助教が調査に参加し、珍しい魚種(いわゆる“お宝”)を採集してきました。2009年に甲斐助教らが発表した新種ニホンキンカジカCottiusculus nihonkaiensisの記載論文においても、海洋センター実施の桁網調査で採集された標本が多数使用されています(写真6)。今年から実験所にD1の三澤君が加わり、彼の研究対象であるガンギエイ類がたくさん獲れるということで、今年も海洋センターの皆様にご協力いただきました。甲斐&三澤もしくは田城&三澤コンビで計4回乗船し、なんと80個体以上ものガンギエイDipturus kwangtungensisを入手することができました(写真7)。ガンギエイの他にも新たな研究に繋がりそうな魚類がいくつか獲れたので実験所の所蔵標本(FAKUコレクション)として登録し、今後詳細に分析していく予定です(写真8)。
本調査に参加するにあたり、京都府農林水産技術センター海洋センターの山﨑所長、海洋調査部の岩尾様、宮嶋様、野口様、ならびに「平安丸」の宇野船長をはじめとする乗組員の皆様から多大なるご協力を得ました。この場をお借りして御礼申し上げます。
写真1(上段左端):京都府海洋調査船「平安丸」
写真2(上段左中):投網直前(調査は昼間と夜間に分かれて行われました)
写真3(上段右中):揚網中(とっても楽しげな三澤君)
写真4(上段右端):選別台(種選別&”お宝”探しが始まります)
写真5(下段左端):ヒレグロGlyptocephalus stelleri(変態前後)
写真6(下段左中):ニホンキンカジカCottiusculus nihonkaiensis Kai and Nakabo, 2009
写真7(下段右中):ガンギエイDipturus kwangtungensis
写真8(下段右端):サイウオ属の一種Bregmaceros sp.
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「舞鶴」合同セミナー
2015年2月24日(火)舞鶴水産実験所において合同セミナーが開催されました。この合同セミナーは京都大学農学研究科の海洋生物増殖学分野と海洋生物環境学分野が舞鶴水産実験所と協力して年3回実施しているものです.今年度3回目となる今回は福井県立大学の富永修教授と鳥取環境大学の吉永郁生教授も学生を伴って参加して下さいました。学部4回生10名が卒業研究の成果を発表し、質疑応答を行いました。全体を通し、卒業研究とは思えないほど充実した内容であったため、厳しい指摘がなされたり、議論が白熱したりする場面もありました。3時間半に及んだ発表会の後、レストランに会場を移し、懇親会が開かれました。舞鶴の海の幸を中心とした料理と各種の飲み物を楽しみながら、思い思いの話題に花を咲かせ、親睦を深めることができました。
発表者と所属および演題は以下の通りです。また、写真は発表の順にしたがい上段左端から並べてあります。
橋口峻也 (京都大学4回生、海洋生物環境学分野) 「国東半島河川の流域特性が河川水質に及ぼす影響」
松村圭高 (京都大学4回生、海洋生物環境学分野) 「七尾湾の基礎生産構造への湾外水流入の影響」
山本一毅 (京都大学4回生、海洋生物増殖学分野) 「砂敷水槽によるヒラメ着色型黒化防除の機構-ストレス応答ホルモンと外部環境刺激」
渡邊裕太 (京都大学4回生、海洋生物増殖学分野) 「自家移植鱗周辺の形態観察によるヒラメ無眼側黒化の拡大機構」
吉川 茜 (京都大学4回生、海洋生物増殖学分野) 「北太平洋産ユメカサゴ属3種の形態的特徴と分布」
今中 月 (福井県立大学4回生) 「福井県三方湖における浮葉植物ヒシの異常繁茂期と減少期の生産構造比較」
北川勝博 (福井県立大学4回生) 「山形県沿岸における海底湧水環境と一時生産速度」
熊谷 基 (福井県立大学4回生) 「福井県内河川における河川横断構造物が底生魚類の生息密度・分布に与える影響」
堀部七海 (福井県立大学4回生) 「炭素安定同位体比分析によるアサリ貝殻中の地下水シグナル検出」
大宮健司 (福井県立大学4回生) 「小浜湾沿岸域における塩水性地下水流出による栄養塩輸送量の評価」
修士論文発表会
2015年2月10日(火)京都大学農学部総合館において農学研究科応用生物科学専攻の修士論文発表会が開催されました。京都府北部では8日(日)の夜から雪が降り続いていたため、舞鶴から京都への移動は普段以上に大変な状況でしたが、舞鶴水産実験所所属の4人は余裕をもって現地入りすることができました.舞鶴水産実験所の教職員や学生が見守る中、4人はそれぞれ12分間の研究発表と3分間の質疑応答を無事に終えることができました。発表練習会の反省を活かし、研究成果を分かり易く紹介するように工夫された良い発表でした。発表会終了後、山下教授の提案により川端御池付近の居酒屋において慰労会が開かれました。なお、発表者と演題は以下の通りです。皆さんお疲れ様でした。
酒見幹太(写真左端) 「マナマコの初期摂餌生態に関する研究」
井上 博(写真左中) 「丹後海におけるEcopathモデルの構築」
山口真以(写真右中) 「マナマコの活動性と各種刺激に対する反応性」
山崎哲也(写真右端) 「丹後海における堆積有機物の動態と多毛類による利用」
田城研究員がタイを訪問
2014年12月1日(月)~11日(木)に田城研究員がアンダマン海魚類相調査に参加するためタイを訪問しました。
以下、田城研究員による報告です。
本調査はタイ国立科博(National Science Museum of Thailand)と北海道大学総合博物館との共同研究の一環で実施され、私も調査員として市場採集やフィールド採集を行いました。今回採集した魚類標本はタイ国立科博に所蔵され、北海道大学が中心となって精査されていく予定です。なお、調査の途中には、Ranong地方に立地するカセサート大学の臨海実験所(Andaman Coastal Research Station For Development, Kasetsart University)を訪問し、現地のフィールド実習(Summer School)の様子などもうかがってきました。こちらの臨海実験所は2004年スマトラ沖地震の津波で甚大な被害を負った機関でもあり、後世に向けてその概要を冊子にまとめるとともに、被害建物を当時のまま保存しています。
写真(左端):魚市場の風景。仕分け中に少しお邪魔してサンプルをいただきました。
写真(左中):地曳網を抱えながら広大な砂浜を歩いて移動します。気が付いたら数km歩いていました。
写真(右中):カセサート大学臨海実験所の新しい建物。災害時に避難しやすいよう、屋上まで緩やかなスロープが続く。
写真(右端):カセサート大学臨海実験所がまとめた津波被害についての冊子。
「環境」合同セミナー
2014年11月27日(木)京都大学農学部において今年度2回目の合同セミナーが開催されました。このセミナーは舞鶴水産実験所と農学部の海洋生物増殖学分野および海洋生物環境学分野の3研究室のメンバーが一堂に会し、研究室の垣根を越えて交流を深める貴重な機会です。今回は海洋生物環境学分野が主催し、フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所のメンバーも参加して、4研究室の代表者が研究発表を行いました。瀬戸臨海実験所の参加により理学部的な視点が加わり、これまで以上に活発な議論が行われた印象でした。セミナー終了後、農学部近くの居酒屋で懇親会が開かれ、料理と飲物を楽しみながら親睦を深めました。
小泉智弘(瀬戸臨海実験所 博士2回生) 「ハクセンシオマネキ(Uca lactea)の巣穴をめぐる雄間競争、および繁殖期の放浪雄増加」
山口真以(舞鶴水産実験所 修士2回生) 「マナマコは何故カキ殻を好むのか?」
大杉樹里(海洋生物増殖学分野 修士1回生) 「飼育下タラバガニ幼生にみられた形態異常と生残の関連性」
原田浩太朗(海洋生物環境学分野 修士2回生) 「日本海側の内湾における海底の富栄養化とマクロベントスへの影響」
生物地球化学研究会 特別セッション「森里海連環学:木文化プロジェクト」
2014年10月24日(金)生物地球化学研究会の特別セッション「森里海連環学:木文化プロジェクト」が舞鶴水産実験所において開催されました。吉岡センター長が企画された生物地球化学研究会の現地セッション(10月24~26日)の幕開けとして、2009~2013年度に由良川(京都府)と仁淀川(高知県)を舞台に展開された「森里海連環学による地域循環木文化社会創出事業(木文化プロジェクト)」の成果が紹介されました。また、特別セッションに先立ち、益田所長が舞鶴水産実験所の紹介を行いました。生物地球化学を専門とする参加者から様々な質問や意見が寄せられ、有意義な特別セッションになりました。東舞鶴駅近くの居酒屋に場所を移し、生物地球化学研究会の役員会と懇親会が開かれ、参加者は舞鶴産の魚介類を堪能することができました。
特別セッションの講演者と演題は次の通りです。
吉岡崇仁(京都大学フィールド科学教育研究センター) 「森里海連環学:木文化プロジェクト」
福島慶太郎(首都大学東京都市環境学部) 「森林攪乱・土地利用変化が河口域の栄養塩濃度に与える影響」
安佛かおり(京都大学森里海連環学教育ユニット) 「由良川河口から丹後海における基礎生産構造」
鈴木啓太(京都大学フィールド科学教育研究センター) 「沿岸性魚類スズキにおける河川・河口域の重要性」
大川智船(株式会社自然産業研究所) 「森林資源利用に対する流域の人々の意識-京都府由良川・高知県仁淀川をフィールドに」
KOFFST International Conference 2014
2014年7月2日(水)に韓国釜山でKOFFST(韓国の水産・海洋系学会の連合学会)国際会議が開催されました。甲斐助教が参加し、ダンゴウオ科魚類に関する話題提供を行いました。また、実験所OBの陳柄善さんも参加されており、甲斐助教は陳さんと久しぶりに話すことができました。翌7月3日(木)には、韓国魚類学会の主催により、群山のMarine Biodiversity Instituteで魚類の標本管理に関する国際シンポジウムが開かれました。甲斐助教が”Fish Collection Building in Kyoto University: Present Status”という題で招待講演を行いました。主にアジア方面の魚類研究者と交流を深めることができたそうです。
「増殖」合同セミナー
2014年5月28日(水)京都大学フィールド科学教育研究センターの会議室において合同セミナーが開かれました。今年度最初となる今回は海洋生物増殖学分野が主催しました。舞鶴水産実験所と海洋生物環境学分野を合わせて3つの研究室から代表者各1名が日頃の研究成果を発表しました。百万遍付近の居酒屋で開かれた懇親会には新加入の学生や研究員も参加し、皆で親睦を深めることができました。
金子三四朗(舞鶴水産実験所 博士1回生) 「マダイの記憶保持期間の検証」
高林長将(海洋生物環境学分野 修士2回生) 「安定同位体比を用いたスズキ稚魚期食性の海域間比較」
浅田憲貴(海洋生物増殖学分野 修士2回生) 「飼育下アカガレイ仔魚期の生育諸条件の検討による形態異常魚出現機構の理解」
「舞鶴」合同セミナー
2014年3月7日(金)舞鶴水産実験所において合同セミナーが開かれました。合同セミナーは研究面の交流を促進することを目的に本実験所と京都大学農学研究科の海洋生物増殖学分野および海洋生物環境学分野の3つの研究室が持ち回りで幹事を務めて1年に3回開催しているセミナーです。今年度最後となる今回の合同セミナーには例年通り福井県立大学海洋生物資源臨海研究センターの教員と学生の方々も参加して下さりました。各研究室の修士課程に進学予定の学生が中心となって研究成果を発表し、参加者からの質問に答えました。研究分野の垣根を越えて活発な議論が行われ、内容充実のセミナーになりました。セミナー終了後は懇親会が開催され、研究室間の親睦を深めることができました。
大杉樹里 (京都大学4回生、海洋生物増殖学分野) 「タラバガニ幼生期に見られた早期沈降と形態異常の関連」
内藤咲希子 (京都大学4回生、海洋生物増殖学分野) 「マツカワにおいて仔稚魚期の飼育密度が体色異常とストレス応答ホルモン産生能に及ぼす影響」
内藤 登 (京都大学4回生、海洋生物増殖学分野) 「カワハギの摂食と照度閾値」
堀内智矢 (京都大学4回生、海洋生物増殖学分野) 「ウグイの生残と鰓蓋拍動数に及ぼす水温と塩分の関係」
坪井智子 (福井県立大学修士2回生) 「大気沈着由来の窒素が北川・南川流域の窒素動態に及ぼす影響」
本田尚美 (福井県立大学修士2回生) 「222Rnを用いた小浜湾における海底地下水湧出の定量評価」
曽我部共生 (滋賀県立大学4回生) 「ミシシッピアカミミガメが彦根城中堀に自生するオニバス群落に与える影響の検証」
三簾仁志 (東海大学4回生) 「東北地方太平洋沖地震に伴う地盤沈下で誕生した塩生湿地の底生生物と環境」
修士論文発表会
2014年2月19日(水)農学研究科応用生物科学専攻の修士論文発表会が開かれ、舞鶴水産実験所の修士課程2回生の徳田光姿君と金子三四朗君が研究成果を発表しました。徳田君は「タコ類における条件性弁別学習能力の検証」と題し、マダコが餌をもらえる状況と餌をもらえない状況を記憶して異なる行動をとるようになったという実験の結果を報告しました。一方、金子君は「マダイの報酬および罰学習における記憶の保持期間の検証」と題し、マダイ稚魚が学習した内容をいつまで記憶しているかということを報酬学習と罰学習により調べた結果を報告しました。2人とも発表練習を重ねた成果を発揮し、非常に分かりやすく説明できました。お疲れ様でした。
学位論文申請講演会
2014年1月16日(木)博士課程3回生の宮島悠子さんと松井彰子さんの学位論文申請講演会が開かれました。宮島さんは「魚類によるクラゲ摂餌の生理生態学的研究」と題し、カワハギ科魚類によるクラゲ類摂食行動の発現や意義について多面的な研究成果を発表しました。一方、松井さんは「スジハゼ複合種群における遺伝的集団構造の形成にかかわる生態的特性の解明」と題し、スジハゼ複合種群に含まれる3近縁種について日本周辺海域における遺伝的集団構造の違いを生態学的特徴の違いから考察するに至る一連の研究成果を発表しました。舞鶴水産実験所に所属する教職員や学生が見守る中、宮島さんも松井さんも30分の発表と15分の質疑応答を無事に終了することができました。大変お疲れさまでした。
甲斐助教が韓国釜山を訪問
2013年12月10日(火)〜13日(金)、韓国の釜山にある釜慶大学校と国立水産科学院(NFRDI)を甲斐助教が訪問しました。これらの研究機関に保管されている魚類標本の観察と採集、研究協力体制の構築が目的です。釜慶大学校では、朝鮮半島東岸の魚類の研究を精力的に進めており、今後、日本海と周辺海域の系統地理学的研究を共同で進めていくことになりそうです。
写真左:釜慶大ではタウエガジ科魚類の研究がおこなわれていました。
写真中:甲斐助教の研究対象、ダンゴウオ科魚類の標本。
写真右:NFRDIには稚魚研究で著名な内田恵太郎博士が集められた貴重な魚類標本が保管されています。
森里海連環学国際シンポジウム
2013年11月26日(火)~28日(木)京都大学芝蘭会館を会場に森里海連環学国際シンポジウム(International Symposium on the Connectivity of Hills, Humans and Oceans)が開催されました。山下教授が開会挨拶を行った後,世界各国から訪れた多数の研究者が研究成果を発表しました(口頭30件とポスター74件)。舞鶴水産実験所の卒業生の渡邉謙太さん、秋山諭さん、エミリー・アントニオさん、ミシェル・ウオルシュさんも研究発表を行いました。また、国際シンポジウムに先立ち、京都大学フィールド科学教育研究センター創立10周年記念式典が挙行され、松本京都大学総長と来賓の方々の挨拶に続き、山下教授が「フィールド研の特色、10年間のあゆみ、および今後の展望」と題した特別講演を行いました。26日(火)夜には10周年記念祝賀会兼国際シンポジウム懇親会として盛大な晩餐会が催され、初代センター長の田中京都大学名誉教授が祝賀挨拶を行いました。なお、益田所長は晩餐会の司会を務め、鈴木助教は会場係として式典とシンポジウムに参加しました。
2013年度水産海洋学会研究発表大会
2013年11月14日(木)~17日(日)京都大学を会場に2013年度水産海洋学会研究発表大会が開催されました。山下教授が実行委員長を務め、舞鶴水産実験所の教職員と学生が大会運営にあたりました。全国から140名以上の研究者が参加し、口頭またはポスターにより研究発表を行いました。舞鶴水産実験所の関係者による発表は以下の通りです。
シンポジウム
「沿岸海域の複合生態系-資源生物生産研究の新たな視点-」
栗田豊・福西悠一・萩野祐平・小路淳・山下洋 「ヒラメ0~1歳魚の成育場・沖合生息場の利用様式とその生態的意義」
冨士泰期・笠井亮秀・上野正博・山下洋 「かわいい子には旅をさせよ-スズキの遡河群と沿岸群の初期生活史-」
南憲吏・益田玲爾・高橋宏司・澤田英樹・上野正博・山下洋 「舞鶴湾におけるマナマコの分布密度の季節変化と生息環境」
口頭発表
鈴木啓太・兼松陽太・中山耕至・田中克 「筑後川河口域における有明海特産魚エツ仔稚魚の分布と食性」
ポスター発表
澤田英樹・山崎哲也・南憲吏・上野正博・山下洋 「舞鶴湾のマナマコ幼生出現傾向からみた産卵周期と分散傾向」
山崎哲也・澤田英樹・上野正博・山下洋 「丹後海における底質環境」
熊谷洋一郎・三簾仁志・南憲吏・横山寿・山下洋 「東日本大地震により形成された塩生湿地のマクロベントス群集と環境」
第12回日本海甲殻類研究会発表会
2013年6月8日(土)第12回日本海甲殻類研究会発表会が舞鶴水産実験所において開催されました。上野助教が「日本海は温暖化しているか」と題した基調講演を行った後、日本各地から訪れた参加者により口頭発表8件が行われました。舞鶴水産実験所の卒業生の八谷(坂本)三和さんは「京都府由良川及び伊佐津川における淡水エビ類の生活史と生息環境の特性」と題して博士課程の研究成果の一部を紹介しました。発表会終了後、東舞鶴の居酒屋において懇親会が開かれました。
安江功明 |