5.技術職員の仕事紹介

5.技術職員の仕事紹介

舞鶴水産実験所の技術職員2人の仕事を紹介します。
専門的な知識と技術を活かし、水産実験所ならではの多様な業務に従事し、教育研究活動を縁の下から支えています。

小倉技術職員(船舶全般・沿岸観測担当)

小倉さん1_緑洋丸操船舞鶴水産実験所の教育研究活動に欠かせない船舶の関連業務(操船、点検、修理、記録、許可申請など)を担当しています。大学生・高校生を対象とする実習や学内外の研究者による調査のため、教育研究船「緑洋丸」(総トン数14トン)を操船し、年間約70航海に出掛けています。また、船外機船「ブルーフィン」(総トン数1トン)を操船し、実験所周辺浅所において作業を行うことも少なくありません。船舶自体に関する仕事とともに、関連施設(桟橋、船具倉庫、上架設備など)や調査器具(漁具、採水器、採泥器など)の点検や修理も重要な仕事です。実習では、操船ばかりでなく、高校生・大学生に対する指導の一部も担当しています。

舞鶴水産実験所では1975年から気象・海象の観測(沿岸観測)を毎朝10時頃に実施していますが、小倉技術職員は平日の観測作業とデータ整理を担当しています。沿岸観測のデータは長期モニタリングデータとして大変貴重であるため、気象庁や海上保安庁をはじめとする機関から研究目的に情報提供の依頼を受けることがあります。

業務に関連し、一級小型船舶操縦士、第二級海上特殊無線技士、危険物取扱者、小型移動式クレーン運転技能者などの免許・資格・修了証を取得しています。

写真:「緑洋丸」の係留(左端)、漁具の補修(左中)、船具倉庫の改修(右中)、冬場の沿岸観測(右端)

小倉さん2_係船作業小倉さん3_桁網補修小倉さん4_船具庫改修小倉さん5_沿岸観測

向技術職員(施設維持・化学分析担当)

向さん1_栄養塩分析舞鶴水産実験所の教育研究活動に欠かせない飼育・宿泊・研究施設の維持や構内の整備を担当しています。具体的には、各施設の電気設備や水道設備の点検と修理、構内約2ヘクタールの植栽の剪定、害虫の駆除、積雪の除去などを行っています。実験水槽に供給するための海水を汲み上げるポンプの点検と修理は、生物の生死や実験の成否にかかわる特に重要な仕事です。また、学内外の研究者の要望に応じ、実験装置の加工や組立てなどの研究補助も行っています。

環境科学修士課程修了の経歴を活かし、化学分析とその関連業務も担当しています。具体的には、オートアナライザーにより栄養塩濃度を測定し、「森里海連環学実習I」をはじめとする実習や学内外の研究プロジェクトに必要なデータを提供しています。また、関連業務として試薬の登録、実験廃液・不要薬品の処理なども行っています。なお、向技術職員は京都大学フィールド科学教育研究センターの森里海連環学プロジェクト支援室にも所属(兼任)し、化学分析とその関連業務を担当しています。

業務に関連し、刈払機作業者、森林インストラクター、廃液・廃棄物情報管理指導員、特別管理産業廃棄物管理責任者などの免許・資格・修了証を取得しています。

写真:構内の草刈り(左端)、生け垣の剪定(左中)、構内の除雪(右中)、揚水ポンプの修理(右端)

向さん2_除草作業向さん3_剪定作業向さん4_除雪作業向さん5_給水ポンプ修理